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わが家の庭
やりたい仕事が見つからずいろいろと遍歴をかさねてきて27才、私が結婚する頃である。今でこそ市民農園は一般的になっているが、当時は土と植物に惹かれて団地近くの農家の地主がやっている一坪の貸し農園を借りることにした。当初は珍しい植木、斑入りの草花をあつめた。つぎに野菜と香辛料を作りはじめた。生活費を稼ぐだけの会社勤めの休日にはその作業にいそしみ面積を広げて植物の種類も増やした。
 そうこうしている数年のあいだにその行為に安堵する自分自身に気づき、私は職業として成り立たせようとしはじめる。やがて、職業安定所をたずね未経験でも雇ってくれる千葉市内の造園会社に勤めることになった。
 他にも耕作スペースをもとめ自分で鍬、スコップ、剪定ばさみを用いて作業を続けた。今では花壇の中に、わずかながらもそれぞれの旬の野菜を収穫しながらも、その花から切り花で室内に部屋生けで飾るとともに四季折々に花を見ることになった。
 そのうちに、一日の生活のなかで生きていく実感に潤いを感じ、年々歳々の季節感を感じることができるようになった。


日本の庭園ベスト20
◆下のリストは、過去に百数十箇所ほど訪れた日本国内の庭園作品のなかから私の独断と偏見にもとずいて、あえてベスト20を選んだものである。
 プランニング、修理保全、維持管理、経年変化をKey Wordにして造形感覚に秀でていて完成度の高い庭園を選んだ。古典的な庭園は社会的な時代背景、人文、自然条件に左右されてほとんど改造、補修がおこなわれ作庭時の面影を残していない。ここにあげたのは現時点での鑑賞上の評価であり、全て自分自身で現地へ足を伸ばし自分の目で見たものである。なお、一般非公開のものは未見であり含まれていない。
名称 所在地 築庭年
 1. 仙洞御所(せんとうごしょ) 京都府京都市
江戸時代 (AD1630〜
 2. 六義園(りくぎえん) 東京都文京区
江戸時代 (AD1695〜1702)
 3. 頼久寺(らいきゅうじ) 岡山県高梁市
江戸時代 (AD1599〜   )
 4. 無燐庵(むりんあん) 京都府京都市
明治時代 (     〜    )
 5. 兼六園(けんろくえん) 石川県金沢市
江戸時代 (AD1822〜1837)
 6. 栗林公園(りつりんこうえん) 香川県高松市
江戸時代 (AD1642〜1745)
 7. 龍安寺(りょうあんじ) 京都府京都市
室町時代 (AD1450〜   )
 8. 桂離宮(かつらりきゅう) 京都府京都市
安土桃山〜江戸時代 (AD1620〜1655)
 9. 小石川後楽園 東京都文京区
江戸時代 (AD1624〜1668)
10. 足立美術館 島根県安来市
昭和時代 (AD1970〜   )
11. 龍潭寺(りょうたんじ) 静岡県引佐郡
江戸時代 (AD1631〜   )
12. 光明院(こうみょういん) 京都府京都市
昭和時代 (     〜    )
13. 慈光院(じこういん) 奈良県大和郡山市
江戸時代 (AD1663〜   )
14. 毛越寺(もうつうじ) 岩手県西磐井郡
平安時代 (AD1150〜1156)
15. 摩訶耶寺(まかやじ) 静岡県引佐郡
中世
16. 瑞泉寺(ずいせんじ) 神奈川県鎌倉市
中世
17. 南禅寺 京都府京都市
江戸時代 (AD1573〜1591)
18. 東福寺 京都府京都市
昭和時代 (AD1938〜   )
19. 恵林寺(えりんじ) 山梨県塩山市
鎌倉時代 (AD1330〜   )
20. バラクライングリッシュガーデン 長野県茅野市
平成時代 (AD1990〜   )
(平成16年9月1日現在)

草花花壇
写真日本の気候は農事暦などに見られるように二十四節気であらわされるが、それに大まかな作業と鑑賞時期がオーバーラップしているものである写真。D.I..Y店や花屋などの市場に出回る草花苗は実際にはワンシーズン早い。
 一年間を通して花をたやさず見るとしたら、理想的な入れ替え回数は春花、初夏花、夏花、初秋花、秋花、冬花、早春花の7回程度である。

ガーデニング
今、流行している造園のプランはシンプルで自然風のスタイルである。形式と内容にこだわらない新しい庭園のフォームはメンテナンスの手間を少なくし、人工的に擬似的な “自然” をつくることになる。どちらかと言えば、無機質で人工的にこしらえた施設物と丈夫で少ない種類の組み合わせでできる植物で構成される。

個人の庭
住環境にとっての方角は大事である。道路付け、玄関の入り口、南側向きの居室などの配置は家をつくり住んでみてからでは変更がきかない。忌避吉凶を占う家相学は方位、風水は長い時間の蓄積で出来た知恵のようなもので迷信とあなどれないものがある。ちなみに風水説は人間に及ぼす地気の作用を信じ山脈、丘陵、水量などの地勢を観察して、さらに陰陽五行や方位をも考え合わせ、最も吉相と見られる地を選び、これに都城、居住、墳墓をつくらせる地相学、墓相学とされる。
 家庭は、仕事を離れて一緒に住んでいる家族とともに生活の場として身近な小自然を感じるものだ。ざっくばらんに開放された家族間には、それぞれが喜怒哀楽を演じそれを受け止めていく舞台である。
 一般の庭には鑑賞本位の庭、実益第一の庭、趣味の庭があり、普通つくる場合は造園業者に依頼する。この工事を終えれば完成であるとおもわれているが、ほかの建築工事と違って実は気象に左右されることに妙味がある。これからがスタートである。屋外の施設、生き物はお客様の考えと手間で時間の経過により良くも悪くも変わっていくものだからである。

マンションの植物管理
作業は樹木の剪定、刈り込み、芝生の刈り込み、消毒、が主な管理項目と言ってよい。ほかに除草と水やりに大きな労力が必要になるが、これは比較的専門的な知識と技術が必要でなくコスト的に管理組合がおこなったほうが安上がりといった面がある。
 設備、清掃などのいろいろなメンテナンスのなかで、特徴的なことは、植物維持管理は毎年の気象などの自然現象によって管理作業内容も変化するということである。
 それを前提に考えるならば次のような方向でかんがえるべきである。植物維持管理計画は一年でその費用対効果を判断して切り替えていく。その中間のステップに植物維持管理作業、コストプランニングを鑑定するコンサルタントをいれること。特に管理側に植物好きなメンバーを参加させること。そうすれば生き物である植物維持管理の方向性を合理的に把握できるだろう。
 マンションの場合には必須の草花の花壇をつくるケースが多い。しかし、えてしてこの作業は造園業者はうといので、できれば草花愛好的なサークルで運営していくのが望ましい。

植物に関するコンサルティング
昔の庭師というものは庭を造るにあたって、図面を用いず現場に四六時中立つことによって庭園工事をおこなったものである。それに対して現代は、この世界でも分業化が進み造園プランを作る人は頭だけ働かせた知識で図面を作成し、工事担当者はその図面をもとに人と資材を手配し工程を組み工事にのぞんだ。しかし、おうおうにしてそこには当意即妙なデザイン感覚は入らない。本来同一担当者が完成の最後までおこなうべきだが、現代では人材がいない状況である。したがってお客様の意図を酌んだ上で、一人がリーダーシップを発揮しいかにまとめていくか、あるいは工事関係者相互のチームプレイを生かせるかどうかが業者選定のポイントである。

建築設計事務所・土木コンサル事務所へ
一般的に言って、建築計画全てがそうであるように外構・造園計画も機能、デザイン計画地ごとに不定形である。プランづくりに際して、その場合建物の外観(外装、出入り口、窓などの開口部)、方位、微気象、接する隣地・道路との高低差、地域の住宅建築の法的規制などの与条件が詳細に分かりやすい程よい。詳細であればあるほど精密なプランをつくることができる。それゆえに、一度は現地で行ってみることは最低限必要なことである。
 
世間に庭園、造園作品の観賞能力のある人は少ない。それぞれの道で一芸に秀でている芸術家は別である。意外にも、技術、理論に勝っている大学教授など学校の先生は勘違いをしているケースが多い。ここで必要とされるのは知識ではなく想像力であり、芸術的センスはあまり期待できない。むしろ、日常生活の感覚をともない教養を持つ町の作庭家の方がすぐれている場合が多い。

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